観たい映画006

すっかり忘れていたのだが追加上映されている! 助かった!
フランス映画というとヌーベルバーグ映画が有名だけど、それ以前にもさまざまな名作が当然あって、ソフト化されていない作品なども含めての貴重な上映機会になっている。のだがきれいさっぱり忘れていた…上映しているのがいけ好かない場所にある恵比寿ガーデンシネマだから忌避していたのかもしれない。

*)ゴーモン 珠玉のフランス映画史
http://gaumont-movie-2019.com/

『EVIL IDOL SONG』

大畑創監督。2016年。78分。
鳴かず飛ばずのアイドルは事務所から起死回生の手段として枕営業を命じられる。煩悶する彼女の周りに不思議な現象が起こり始める…。『へんげ』(2011年)で一躍名を馳せた大畑監督の劇場公開作品。夢の中で思いついた曲のフレーズを彼女が口ずさむと周囲の生命が削れていく、というアイディアが次第に大きな騒動へと発展していくさまは『へんげ』を思わせる。政府や体制ではなく「世間」に対して一悶着を起こそうとする人物を好む大畑監督の執念がクライマックスまで貫かれる。劇場用映画より短編・PV、最近ではテレビドラマで活躍する大畑監督だが自主制作で未完の作品に『NONE』(2015年)という作品があって、なんと主役が精神病患者で、同じ病を持つ同士達が集って暴走していくという過激な映画なのだが、未完成版を一部で上映したきり音沙汰ないのが悲しい。完成版が観たい。
『EVIL IDOL SONG』はAmazonPrimeビデオにて配信中。

観たい映画005

*)ソヴィエト・フィルム・クラシックス 逝去した監督・俳優編
http://www.athenee.net/culturalcenter/program/s/sfc2019.html

旧ソ連で制作された映画の特集。こういう特集をやってくれるの、アテネ・フランセ文化センターか川崎市民ミュージアムくらいになってしまったよな…いや昔からか? キラ・ムラートワ作品が観たかったので行きたい次第。アテネ・フランセの椅子は固くて尻が痛くなるけど。

『来る』

中島哲也監督。2018年。134分。
幼い頃の記憶が時折よぎる男の元に謎めいた訪問者から訪れてから、周囲に怪異現象が起こり始める。民俗学者の友人から紹介された物書きと霊能力者を頼りに事態の解明を目指す…原作は澤村伊智・作の小説『ぼぎわんが、来る』で、先にこの小説を読んでいたのだが、こちらは文句なしの大傑作。小説ならではの構成を生かした巧みなホラー小説。で、問題はこの映画。原作小説の三部構成を真っ平らな進行をする構成にしたのはしょうがないとして、中島哲也作品といえば共感できないキャラクター、凝っている割には分かりづらい映像表現、込み入った展開をする割にはハテナマークを浮かべる結末などがあるが、今回もそれを踏襲している。ぼくは映画に関しては「好き」の反対は「興味ない」なくらい「嫌い」がないのだが、中島映画はことごとく「嫌い」。どこが嫌いなのか言語化出来ないのがもどかしく、新作が出れば観てしまうジレンマ。なんか豪勢に見えるんだけど薄っぺらいんだよね。端的にいえば。驚きもないし。けれど、役者は誰も彼も良い芝居をする。特に霊能者役の小松菜奈と柴田理恵。

『ゴーストランドの惨劇』

パスカル・ロジェ監督。2018年。91分。シネマスコープ。
亡くなった伯母の家にやって来た母と娘ふたり。引っ越し作業のさなか、闇夜の中から怪しいトラックが現れる。それに乗っていたのはニュースで話題になっていた異常者たちだった…。またこういうネタか、と観て思ってしまったのは出世作『マーターズ』(2007年)も、主人公の女性が正体不明の存在に拷問のように痛めつけられる、という映画だったから。女性を痛めつけるのが監督の趣味なのかな。実際暴力描写は過激。殴られた女性の顔が非常に生々しいのだが、殴られるシーンはカメラがブレたりそれたりしているので「レイティング対策かよ! 日和ってんじゃねーよ」とツッコミを入れざるを得ない。『マーターズ』も『トールマン』(2012年)も共通して脚本の妙というか、驚愕の展開! と映画のポスターにアオリを入れられるような作りがロジェ監督の味わいなのだけど、今回もそれをじっくりと味わえる。先行するホラー映画へのオマージュみたいなものもあってマニアがニヤリとするのも良かった。ホラー映画としては70点くらいの出来。しかし。しかし。ぼくもトシを食ったのか『マーターズ』では感激していたくせに、今回は妙にモヤッとしたものを抱いてしまった。「会話が通じない異常者」によって「女性が非情な暴力にさらされる」というプロットがもう時代遅れというか、1970年代だったらまだしも、2010年代になっても、フィクションとはいえ女性を殴って蹴って痛めつけて過激でござい! と言われてもなんか白けるな、と。実際、この映画を作ったのはフランス生まれの監督で、制作がフランスとカナダ。これは妄想だけど、ホラー映画の一大産地だったアメリカでこういうサディスティックな作風の映画がなんだかんだで作れなくなったから、外国人の監督で外国の制作会社に作らせているのかなと。まあ本編と全く関係のないことを延々綴ったけれど実際本編より本編外のことが気になった次第。ちなみに『マーターズ』は大傑作です。

『天気の子』

新海誠監督。2019年。110分。ビスタビジョン。
東京に家出してきた主人公は都市伝説の調査をしているうちに晴れ空を作り出すことが出来る女の子に出会い、ふたりはその能力を使った商売を思い立つ…とあらすじにしてまとめると結構生臭い感じがするけれど、新海誠の手腕にかかると魅力的なボーイ・ミーツ・ガールものとして変化する。それが結構気持ちが良い。前作『君の名は。』(2016年)と比べると展開がストレートになっていて見やすいけれど、前作同様物語に色々とアラがあるのを感じてしまう。細田守監督作品にも思うけど、脚本家って大事だなと思う次第。とにかく絵のパワーが強いので映画館で観ると「まあいいか、きれいだし」とか思ってしまうのだけど。今回はIMAXで観たけれど、時間と機会があったらまた観てみようかな。余談だけど白石晃士監督の『オカルト』(2009年)との類似性が指摘されていたので、それを注視して観たけれど、登場人物の貧困・目的の為におかす犯罪・主人公達を導く大いなるチカラなどに類似点はあるけれど、「そりゃ、まあ似ているといっちゃ似ているよな…」と思う次第。牽強付会というか。だけど白石作品をソフィスティケイテッドすれば新海作品になるのかなと妄想したり。

観たい映画004

*)現代音楽と日本映画の交差点 1950s-1970s
https://www.kawasaki-museum.jp/cinema/18700/

川崎市民ミュージアムで9月7日(土)から12月1日(日)にかけて現代音楽を取り入れた日本映画の特集がされます。勅使河原宏『砂の女』『他人の顔』、吉田喜重『エロス+虐殺』『煉獄エロイカ』などが観たいのでここにメモ。勅使河原宏の映画はDVDで持っていますがやはり劇場でね…(老害発言)。

c97参加します。

先日オンラインで参加申込をして、先程サークルカットを作成して登録、申込完了させました。新作予定は『鬼太郎カットのシノダさん』新作を予定しておりますが…どうなることか…手品先輩の斑さんがかわいすぎて…むろん『吸血女子高生エレノア』のことは忘れておりません…忘れては…。



c96反省。

今回のコミケでの新刊は元々『吸血女子高生エレノア』3巻を予定しておりました。全4巻構想で「ここで盛り上がせるぜ!」と息巻いておりましたが予想以上に難航して予定していた分量の半分も出すことが出来ず、イベントまで時間が迫ってきたところで思いついたのは予定の変更(バカでも思いつきますな)。
以前から構想していたプロットのひとつを引っ張り出して、教室のはぐれ者となってしまった登場人物のつながりを描いた物語『鬼太郎カットのシノダさん』を描くことになりました。書き上がったのがイベント2日前だったので「大手サークルの突発本かよ!」みたいな素っ気ない表紙のまま製本することになり(元々装丁の知識もノウハウもないのもありますが)、いつものように会場製本。売り上げは散々でした。
まあ、ぼくが同じ創作系ブロックを見て回っただけでも、表紙は絵なり写真なりがあり、DTPソフトを使ったようなレイアウトが組まれ、内容をイメージさせるような表紙が作られていたのが多々見受けられたので、明らかに発信力不足だよな…と肩を落とした記憶があります。もっと学ばねばならない部分が多いですね。多過ぎです。
次回参加はc97(冬コミ)になります。もう参加申込はしました。新刊予定は『鬼太郎カットのシノダさん』2巻と書いてありますがどうなることやら。『手品先輩』二次創作もやってみたいという欲望が湧き出て「おまえはどうして身の程をわきまえないのか…」と自省したりしなかったり。
次回もよろしくお願いします。